
第六十五段 ことのはのいち

「話す鳥」というのは面白い。
梅蔵君の場合、大きなオウムなどのように意味のある会話を交わすのは無理なのだが、
人間が話す言葉を真剣に聞き入り、
「気に入った言葉だけ」を好きに組み合わせてしゃべってくれるので、
時々とてもツボに入るお話をしたりして、
我々の生活に大変愉快なエッセンスを垂らしてくれたりする。
そんな梅蔵君の語録その1。
「むかしむかしあるところにうめちゃんがすんでいました」
昔話は、梅蔵君の定番のおはなし。
定番なだけにアレンジが加わりやすいらしく、
色んなバージョンを生み出してくれる。
これもそのひとつで、
本人も気に入っているらしく頻繁に出てくる言葉であるが、
「クサイ」は教えた覚えはない。
この調子で色んな「梅造語」を生み出してくれるのだが、
感心するのは、かなりの高確率で、
文法がそう間違っていないことなのだ。
しかし、この言葉については毎度
「なにがあったらクサイわけ?」
と、突っ込まずにはいられないのであった。
(当然答えはでないんだけどねー)