第三段 やまひづく

さし餌をはじめて三日目の昼ご飯の3口めから、 梅蔵がご飯を食べなくなった。

立たせてみると、羽をもっこりさせているようだ。
「これが噂に聞く『ふくらんだ状態』ってやつか」と思い、 鳥は直前まで病気を隠す、とどっかで読んだけど、 本当に直前なんだなあ、と感心…してる場合ではない。
何とかせねば。

付け焼き刃的知識により、 とりあえず電気スタンドを持ってきて暖めてみる。
…まぶしかったらしく、不評。
梅蔵を飼う前、 「一応病院は調べておくか。 まあ、今度は鳥だから平気っしょ(←完全に認識不足)。」 とブックマークを付けておいた近所の鳥専門病院に電話して、 急いで診てもらうことになった。 (近所に鳥専門医ってだけでもゼイタクなのだが、 ここは大変混む病院なのに、予約の合間に特別に診ていただいた。 だがこのときはまだ、その有り難さを知らない。)

なんとなく、病院では、 「町の鳥屋さん」をあまり快く思っていない、ようだ。
飼育方法が昔ながら…、なのかな。
梅蔵ちゃんは、どうやらお腹を壊しているらしい。 タール状の便をしていたようだ。 (そもそも、ヒナの正常な便状態を私は知らない。)
「湿ったエサ」の置き餌がイケナイという。
冷たくなったエサを、親鳥が与えたりはしないでしょう?と。
そうかも。 人間だって、冷たい食べ物は病気になるし。
でも、置き餌してたけど、 梅蔵はほとんど口を付けなかったと思うけどなあ。

そんなわけで、 愛しの梅蔵ちゃんは、うちにきて3日で、入院してしまったのでした。